大学生ζの経済教室3.0

日々の生活に潜む経済ネタ等。半分雑談。

批判を浴びる新興IT企業、食べログやメルカリのビジネスモデル

批判を受ける”食べログ”

飲食店予約サイト、食べログが世間を騒がせていますね。

 

 

 

 主な反対意見

  • 薄利の飲食業から、ほとんどコストの掛かっていないIT企業が暴利を貪るのはおかしい

 

  • 定額で200円などの課金は横暴で、定率制に変更すべきである

などというもの。

 

一方、賛成意見としては

  • 集客に支払うコストとしては妥当で、嫌ならプログラムに参加しなければよい

といったところです。

 

 

個人的な感想

正直、反対意見はただの感情論にすぎませんから、賛成意見には同意した上でそれでも、ということなのだろうと思います。

 

しかし、個人的には、「この程度の課金は仕方がない」という立場です。

 

 

例えばExpedia、Hotels.comやagodaといったグローバルホテル予約サイトでは、仲介料は10%が相場ですし、

ただショッピングモールへのリンクを踏ませるだけの広告でも、(契約によりますが)販売価格の3%程度の仲介料が生じるのが相場です。

 

したがって、この手の仲介サービス事業者が受け取る対価としては、サイトの集客力、口コミを含む豊富な情報を考慮すれば、正当なものであると言えそうです。

 

そして、ユーザーは利便性を享受しているわけですから、当然 ”本来の料金” に比べて上乗せされた料金を支払うことを受け入れるべきです。

 

 

サイト自体にも批判される隙がある

しかし、食べログが批判を受けるのはもっともです。

 

いくら集客力があるとはいえ、予約だけで200円のマージンを取るという行為に批判を受ける余地が大きいこと自体は否定できないでしょう。

 

また、一見正当な経済活動に見えても、例えばGoogleがEUから多額の制裁金を科されているように、実は公的機関が修正すべき(と判断されうる)寡占状態にある可能性が一定程度あるのも事実です。

 

 

これらの批判に対する解が何なのか、自分には明示はできませんが、

例えば食べログのアカウントとクレジットカードを紐づけ、決済まで行えるようにするだけでもだいぶ印象は異なってくるのではないかと思います。

 

こうすることで、ユーザーには

  • クレジットカードでの(事後)決済が可能となり飲食店利用に際する利便性が高まる

 

飲食店には

  • 現金を扱う場面が減り、資金管理の効率化と低コスト化が図れるほか、最近問題となりつつあるドタキャンへの対策となる

 

食べログには

  • 食べログへのロイヤリティーが高まり、より他社に代替されにくくなるほか利用頻度の向上が見込めるほか、利用者の口コミか否かを容易に判別できるため口コミの精度を高められる

 

といったメリットがあります。

 

また、カード会社は決済額の3%程度の決済手数料を要求しますから、食べログが飲食店へ請求する手数料も、自然と定額制から定率制へと移行するはずです。

 

 

究極的には批判する人の意見は、「現状の食べログのシステムに200円を支払う価値はない」と判断しているということだと思いますが、

ホテル予約サイトに文句を言う人がいないように、これだけ(逆にいえばこの程度)で印象が大きく変わる可能性は高いと思います。

 

 

新興IT企業の存在価値とは

さて、食べログに限らず、例えばメルカリもそうなのですが、正直 ”新興IT企業” の多くが、もてはやされているほどは、というよりも、全く革新性のないサービスのような気がしてならないのです。

 

これについては説明する必要はないでしょう。

 

メルカリはヤフオクによく似たサービスだし、食べログだってただのレビューサイトで、サービス自体に革新性は皆無です。

 

 

『それができていない人がほとんどなだけで、ちょっと考える力と人並みの人望があれば起業はうまくいく』 なんてよく言ったりしますが、ビジネス自体がその程度のもの、ということなのかもしれません。

 

適当に類似するサービスを作って、うまくいけば上場して億万長者になって、それでおしまい、みたいな。

 

 

実業と虚業

予め断っておきますが、自分がある意味恵まれていて、 ”普通に” 仕事をして、 ”普通の” 充実した生活を送れれば良いと考えることのできる環境にいることによるバイアスはかなりあると思いますし、上記はあくまで主観に基づく一意見に過ぎません。

 

 

どちらかと言えば自分は ”伝統ある実業” の方が好きだし、自分がそう思うのと全く同じように ”意識高い系の、いわゆる虚業” の方が好きだという人も当然いることでしょう。

いないと困るとも思います。

 

 

しかし、いわゆる ”上場ゴール” ではなく、持続性のある、これから歴史を刻んでいけるような立派な企業を本当に作りたいのであれば、批判的な立場の人からも少しでも理解を得られるような運営をしないと難しいのではないかと思います。

 

少なくとも、定期的に炎上をして喜んでいるような会社には、真に社会から必要とされる企業として成長することはできないでしょう。 

 

 

 

そういえば、先日面白いTwitterを見かけたので、たまには炎上しそうなコメントでも残しておきましょうか。

 

 

『意識高い系に課金させるビジネスモデルとしては参考になるんだよなー』