エイブル炎上の本質は企業の”不真面目さ”である
ツイッターを漁っていたら、今日も炎上ツイートを発見しました。
エイブルを利用される学生様、新生活者様へ。 pic.twitter.com/cQRmAaZVMd
— 春紀@低浮上ホモbot (@hrkym02) 2017年2月27日
抑えきれない野次馬根性を全開にして確認すると、
- 都会の家賃相場を知らない田舎の学生に、自社の都合のみを考慮し高くて古い物件を薦めた
- エイブル側は契約した以上解除はできないと主張し、泣き寝入り
といった内容です。
時々こういった企業の対応の不真面目さがツイッターに醸されることがありますが、今回はこのような一見誠意のない対応は、ある意味仕方がないことなのではないか、と擁護してみたいと思います。
まず今回の事例ですが、今や家賃相場などインターネットで簡単に調べることができますし、内装も含めてHPからある程度は確認することが可能です。
それを”知らなかった”の一言で済ませ、曲がりなりにもサインをした契約に後から文句をつけるのはあまりにも傲慢と言わざるを得ません。
文句をつけた時点では調べたのでしょうか?そのあたりの整合性も不明です。
そして、企業という存在が情報と利便性を売って儲けているものであるというところに反論のポイントがあります。
例えば、あなたが部品代にして高々200ドルのiPhoneに10万円も払うのは、自分では全ての会社に部品を調達して回ることも、組み立てることも不可能だと知っているからでしょう。
仕入れ値は更にうんと安いと知っていながら、スーパーで”コンビニより安い!”といって意気揚々と商品を手に取るのも、仕入れに行く手間や1個という単位で購入できる便利さを考慮し納得しているからだろうと思います。
不動産の仲介業も、それと同じ。
自分で一軒一軒大家を回ることも、家賃交渉をいちいちすることの手間の代わりに、大家さんと直接契約するより高い家賃を払っているという理論で成り立っています。
いや、大家も何百人もの個人に交渉に来られたらたまったものじゃないでしょうから、むしろ安くなっているとさえ言えるかもしれません。
もちろん、不動産屋にはお買い得物件もあるでしょう。
しかし、なにも調べていない(つまりHPを見て指名買いする客に比べれば遥かに接客の手間もコストもかかっている)お客さんに、どうしてお買い得物件を紹介しなくてはいけないでしょうか!
仮に、さんざん窓口で相談し、何軒も内覧して回っているとしましょう。20時間くらいはかかるでしょうか。
不動産屋の社員の時間コストは安く見積もっても5000円は下りません*から、それだけで10万円です。
月額1万円くらいは余裕のある契約をしないとやってられません。
(面白いことに、時々このようにして炎上する分のコストさえ含まれているのかもしれません。)
*折半の社会保険料や福利厚生、採用コスト、その他間接コストも考慮すれば実質の純支給額はこれでも3000円程度、年収にして576万円にしかなりません。
もちろん、ある意味(バカ)真面目にお客さんのことを考えた物件を紹介している不動産屋もあるのでしょうが、この程度の不真面目さは、現在日本で問題となっている所謂ブラック労働を解決するためには必要なのではないかと思うのです。
ここまで読んでいただいた方はお分かりでしょうが、タイトルの”不真面目さ”は、悪い意味ではありません。
逆にいえば、インターネットの普及と共に、情報と利便性を提供する会社のサービスや商品を誰でも、より安く手に入れることが可能となっています。
恐ろしいほどに進みつつある情報化社会、うまく利用したいものですね、ハイ。